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最近、SNSで芸人によるパワハラ告発があったことで話題になりました。
社会人であれば、実際にパワハラを受けたり、身近に聞いたりすることもあるかもしれません。
ハラスメントにはパワハラ以外にもセクハラ、マタハラなどいろいろ種類がありますが、厚生労働省の調査によると、ハラスメントの中でも相談件数がもっとも多かったのはパワハラで約48%でした。
また、一言でパワハラといってもさまざまなケースがあり、当事者にとってはとても深刻な問題ですよね。
そこで今回は、18~69歳の社会人3,000人を対象にアンケートを実施し、パワハラ経験の有無を調査。また、自身がパワハラを経験した500人を対象に、具体的にどのようなパワハラを受けたのかを調査しました。
調査概要 |
|
---|---|
調査対象 |
18~69歳の社会人3,000人 |
回答者の年代割合 |
20代(10.2%)30代(18.9%)40代(30.4%)50代(28.2%)60代(11.9%) |
調査期間 |
2024年2月5日~2024年2月8日 |
調査方法 |
「Freeasy」を用いたインターネットリサーチ |
まずはじめに、18歳~69歳の社会人3,000人に「自身がパワハラを経験した」もしくは「ほかの人がパワハラを受けているところを見たことがある」かをアンケートで調査しました。
その結果、「自身がパワハラを経験した」もしくは「他の人がされているのを見た」と答えたのは、1,794人と全体の約60%もいることがわかりました。
また、男女別で見ると男性が約61%、女性が約39%と男性のほうが多い傾向にありました。
続いて、「自身がパワハラを経験した」あるいは「他の人がされているのを見た」と答えた1,794人を対象に、誰からパワハラを受けたかを調査しました。
その結果、一番多かったのは「同性の上司」で1,130人でした。その次に多かったのが「異性の上司」からパワハラを受けた人で466人、次いで「同性の先輩」からが432人となりました。
パワハラの性質上、立場が上の人から受けることがほとんどですが、同僚や部下・後輩からパワハラを受けた人も398人いました。
また、同性からパワハラを受けたのは男性が多く、異性からパワハラを受けたのは女性が多いようです。
次に、「自身がパワハラを経験した」もしくは「他の人がされているのを見たことがある」と回答した人を対象に、どんな内容のパワハラを受けた(もしくは見た)のかを10個の選択肢から選択してもらいました。
一番多かったのは「暴言・侮辱・大声で怒鳴る(1,171人)」で、「悪質な悪口・陰口(557人)」「無視や仲間外れ(435人)」なども次いで多く見られました。
また、全体的にみると多くはありませんが「暴行・傷害」を受けた人が221人もいることがわかりました。
今回のアンケートでは、実際にパワハラを受けた358人から、具体的なパワハラ内容を聞き取り調査しました。
今回の調査で得られた具体的なパワハラ内容は、以下のとおりです。
パワハラ問題には、どこからがパワハラになるのかという判断が難しいという課題もあります。
加害者側は「そんなつもりはなかった」という可能性もありますが、中には理不尽な要求や無視、暴言・暴力など、明らかにハラスメントと感じる行為を受けた人が多く見られました。
「パワハラを受けたとき、どう対処したか」という質問では、もっとも多かったのは「何もしなかった」(576人)でした。
相手が上司や先輩であるがゆえに対応が難しく、何もできないという人が多くいるのは仕方のないことかもしれません。
社内の人や担当部署に相談したり(460人)、家族や友人に相談する(216人)など、まわりに相談した人もいましたが、自ら加害者に抗議した人は169人にとどまりました。
パワハラを受けて「何もしなかった」人が多いため、結果として、「改善した」と回答した人は11%にとどまり、「改善しなかった」とこたえた人が約61%ともっとも多くなりました。
ただ、パワハラを受けて何かしらの対処をしたら、状況が改善したのかどうか気になりますよね。
パワハラを受けて何か行動に移した人(パワハラ加害者に対して自ら抗議した人や、各所に相談した人)のうち、問題が改善しなかった人の割合をみてみると、約54%となり、勇気を出して行動してもなかなか状況を変えることは難しい場合も多いことがわかります。
上記の質問からもう一歩踏み込み、自身がパワハラを経験した人に対して、最終的にパワハラ問題がどう着地したのか詳細に聞いてみました。
パワハラを受けた際、「何もしなかった」「会社を休んだ」など積極的な対処が難しい問題なだけに、パワハラ問題の最終的な結果としてもっとも多かったのは「変わらなかった」(約33%)でした。
また、「被害者側が退職した」「被害者側が異動になった」合わせると28 %となり、パワハラ問題の理不尽な状況が浮き彫りになりました。
しかし、自身がパワハラを経験した人の中には、最終的に解決したという人が約19%いました。
パワハラ問題を少しでも解決に向かわせるためにも、まずは社内の相談窓口や外部の弁護士などに相談してみるとよいでしょう。
労働施策総合推進法の改正によって、職場におけるパワハラ対策が企業の義務となりましたが、今回の調査結果を見てみると、まだまだ理不尽なパワハラはたくさんあるようにみえます。
パワハラの性質として、パワハラを受けて状況を改善したいと思っても加害者に対して直接行動に移すことは勇気のいることですし、実際パワハラを受けても「何もできなかった」人が半数近くいました。
一人で悩まず、心身に不調をきたす前に、下記を参考に相談できる場所を見つけておくことが大事になるといえるでしょう。
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